どの方式でも共通することは、積み重ね(積層)で形状を作成していくことになります。
積み重ねていくので、当然ながらいきなり空中に形状を作成することは出来ません。
※図は 熱溶解積層方式になります。
繋がっているので3Dプリンタ側からしたら作成出来るのですが、実際は重力と硬化する時間がありますので垂れた形状になります。
この問題は3Dプリンタの工具速度の調整等である程度改善することは出来ますが、完全になくすことは難しいです。
余談ですが、調整用に3Dデータを作成致しましたので、宜しければ使って見てください。
⇒ 出力限界角度チェッカー
このような形状の対策としてサポートを入れるという方法があります。
3Dプリンタの仕様書には必ず1ヘッドか2ヘッドの記載があります。これは出力ノズルの数になり、2ヘッドの場合はサポート材として取り外しやすい材料を選択することが出来ます。
1ヘッドでサポートを使用すると、同じ材料で作成されます。(1体化します)
3Dプリンタの調整で垂れない角度を調べ、繋がっていて尚且つ作成できる角度のデータならば必ず作れるわけではなく、もう一つ条件があります。
今度は下記の形状を作ってみます。(垂れはないこととします)
この形状を3Dプリンタが指示通りに作ろうとすると(実際は作れませんが)上層を作った後に下層に戻らなければならなくなるので作成出来ません。
どうなるかというと、下層の段階で空中に作ることになりますので下に落ちます。
イメージ図だけでは、理解しずらいと思いますので下記のデータで確認していきます。
実際に出力された形状は下記になります。
右手と旗がアンダー(戻り)形状になっていた為、無くなっています。
また、その周辺の形状もおかしくなっています。
熱溶解積層方式の3Dプリンタでは作成テーブルの上に樹脂が落ちるだけですが、私の使用しているプリンタは光造形方式ですので液槽の中で作っています。
この場合の話も、のちほど記載します。